〈問題2〉の用紙に目をやると、A君の顔色はすっかり変わった。〈問題1〉を見たときの反応とはうって変わって、一瞬フリーズしてしまった。しかし、さすがに英語力に覚えがあるのか、一つ一つかみしめるように自分の持っている知識を駆使して、答え始めた。

「1は、何か充分なというイメージの英単語だと思います。2は友好的な意味を感じさせる動詞……友好的になるとかですかね。3、5は分かりません。4は広く見るというような意味のはずです。6は神経外科医。7はグルコースですからブドウ糖。8、9、10、11は専門用語でしょうか、検討つきません。12は人類学者です。13、14は見たことがありません。ところで、breadwinnerってパン食い競争の優勝者のことですか?」

浮かび上がる「難関を突破する子どもの資質」医学部脳の育成法

思わず笑ってしまうやり取りであったが、基本線としてA君ほどの秀才でも〈問題2〉はお手上げ状態であった。しかし、A君の問題に対する取り組み方で見習うべき点がある。

まず1を ful という語感から充分なという意味だと推測している点である。

 

また2を friend から友好的な意味だと推理し、be がその前についているので動詞であるとした点は見るべきものがある。こういうA君の姿勢は、「難関を突破する子どもの資質」=【医学部脳】を充分にうかがわせる。

さて、ところで皆さんは、いくつぐらいこの英単語の意味が分かっただろうか。

 

実はこれらの英単語は、今年、医学部を受験した複数の教え子から聞き取り調査をして、よく意味がつかめなかったと答えた英単語を抽出したものである。

 

ネタ元を明かすと、1、2が杏林大学医学部、3~5が昭和大学医学部、6~11が日本大学医学部、12~14が順天堂大学医学部で出題された英単語だ。

 

 

念のため答えを記しておくと、

1 達成,成果、

2 世話をする

3 内分泌の、

4 遠視の,先見の明のある、

5 検査する、

6 神経外科医、

7 ブドウ糖、

8 盗作、

9 腫れ、

10 ぼうこう、

11 排尿する、

12 人類学者、

13 だ液、

14 一家の大黒柱,生計を立てるための職業、となる。

これらの英単語は、短い英文法問題や長文読解の一部として出題されており、前後の文脈からおおかたの意味がつかめたというケースはあるだろう。また、英単語そのものの正確な意味がつかめなくとも、問題の問われ方によっては正解にたどりつけた問もあったと考えられる。

しかし、である。医学部らしい専門的で難度の高い英単語が入試で問われるのは、このところの潮流のようだ。慌ててにわかに勉強したところで、とうてい対応できない英語力が要求されているのである。

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