カルトとは何ぞやということを書きたいと思う。
カルトとは何ぞやということを書く前提として未開の文化を調べたレウ”ィ=ストロースという文化人類学者が呪術の原初形態についてこう言っているんですね。
おまじないとは、化学、サイエンスの始まりだと。
その意味は、簡単に言うと、因果関係を追うということです。
サイエンスの場合は、例えば万有引力によってリンゴが落ちるという因果関係を追っていく。
原初形態としての呪術の場合は、例えば先祖に何か関係があるから、先祖の祟りでこういう事態が起こったんだという形で、原因があって結果があることを示す。
これが呪術の世界だと彼は言う。
それで私はある宗教団体Aを見てこう思ったんです。
皆さんはAを宗教団体だと思っているが、レウ”ィ=ストロース的に言えば、宗教団体ではなくて、呪術、おまじないの世界なのだと。
怪しいという意味ではなくて、因果関係に注目するわけです。
そうであればこそ、多くの自然科学系の参加者がいたんだよね。
医者やエンジニア。
そうした自然科学系の入信者が、なぜ多かったのか。
私はなるほどと思った。
因果関係、因果関係と追って、化学でまだとらえきれていない領域にまで因果関係を追おうとすると、結局、現代の呪術的なものだということになり、A的なものが出てくるんだろうと気づいたんです。