伊藤琢哉の「過去」と「退歩」の哲学

1. 「かつて人気講師だった」という事実の重み

「昔はすごかった」という話を、世間は「今は関係ない(今でしょ)」と切り捨てがちです。

しかし、ここでの本質は自慢や冗談ではなく、**「かつてその事実が厳然として存在した」**という点にあります。

  • 存在の証明: 最初からいなかったのと、いたのでは決定的に違います。亡くなった私の偉大な父も、かつて存在したからこそ、今もその価値が失われないのと同じです。

  • ファクトの永続性: 過去に刻まれた事実は、現在や未来の評価に左右されない独立した価値を持ちます。

2. 「進歩」ではなく「退歩」の精神

世の中は「前へ、上へ」という進歩を求めますが、あえて**「退歩(顧みること)」**を伊藤琢哉は重視します。

  • 歩みの本質: 水前寺清子氏の『365歩のマーチ』のように「3歩進んで2歩下がる」ことは、単なる1歩の前進ではありません。その「戻る(退がる)」過程にこそ、人間としての深みがあります。

  • 見える化: 闇雲に前進するだけでは見えない景色も、自分が歩んできた道を「退歩」の視点で見つめ直す(猛省・顧みる)ことで、初めて真理が見えてきます。

3. 歴史と存在の継承

松下幸之助氏のような偉人が今も「経営の神様」として語り継がれるのは、彼が成し遂げた過去の事実が、今の時代も「存在」し続けているからです。

  • それは単なるリストラや効率化といった数字の話ではありません。

  • **「そこに存在していた」**という事実そのものが、時間を超えて他者に影響を与え続けるのです。


結論

伊藤琢哉が自身の過去を語ることは、過去への執着ではなく、**「事実に立脚した存在の肯定」**です。

進歩という強迫観念から自由になり、自らの歩みを「退歩」の精神で深く見つめ直すこと。

それこそが、生物学的な生存を超えた、人間としての真の「存在価値」を形作るのではないでしょうか。


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