明治初期の翻訳家たちが「Right」という概念をどう日本語に落とし込むか、相当な試行錯誤がありましたね。
福澤諭吉や西周(津田真道や西周など明六社の面々)が、現在の「権利」という言葉が定着する前に用いていた表現や、その変遷は非常に興味深いものです。
以下に、その歴史的背景をまとめます。
1. 「Right」の初期訳:福澤諭吉と「通義」幕末から明治初期にかけて、欧米の「Right」という概念が日本に入ってきた際、福澤諭吉は当初「通義(つうぎ)」という言葉を当てました。
「通義」の意味: 人として当然行うべき正しい道、あるいは普遍的な道理といったニュアンスです。
背景: 当時の日本には「個人が国家や他者に対して主張できる法的な力」という概念が希薄でした。
そのため、儒教的な「義(正しい道)」という言葉を借りて説明しようとしたのです。
2. 西周と「権理」質問にありました「西周」は、おそらく明治の哲学者・西周(にし・あまね)のことかと推察します。
彼は「Right」の訳語として「権理」という字を提案しました。
「権」と「理」: 「権」は権力や勢い、「理」は道理を意味します。
意図: 彼は、単なるパワーとしての「権」だけでなく、そこに正当な理由(理)があることを強調しようとしました。
3. なぜ「権利」になったのか最終的に私たちが使っている「権利」という言葉を定着させたのは、法学者の津田真道(つだ・まみち)だと言われています。
「利」の導入: 津田は、Rightには「自分にとって利益になるもの」という側面があると考え、「理」を「利」に置き換えました。
当時の反発: これには当時の知識人から大きな反発がありました。
「利」という文字は「欲」や「卑しさ」を連想させるため、「神聖なRightに『利』という字を使うのは不謹慎だ」という意見が強かったのです
4. 翻訳の苦労:Dutyとの対比当時の人々を最も混乱させたのは、「Right(権利)」と「Duty(義務)」の関係性でした。
それまでの日本(東洋思想)では、「役目」や「務め」は一方的に与えられるものでしたが、欧米の概念では「権利があるからこそ義務が生じる」という双方向的なものでした。
福澤諭吉は『学問のすゝめ』などで、この「権理」を理解させることが、近代国家を作るための第一歩だと説きました。
まとめ:言葉の変遷訳語提案者(主な使用者)ニュアンス通義福澤諭吉 人としての正しい道(道理重視)権理西周正当な理由のある力(バランス重視)権利津田真道法的な力と利益(実利・現在定着)「権利」という言葉一つとっても、先人たちが「利己主義ではない正当な主張」をどう表現するか、命がけで言葉を探していた跡が見て取れますね。
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