夕暮れの裏筒井3丁目公園を吹き抜ける風の暑さか、あるいは令和の残香を宿すITO ACADEMY の3階建てで外階段がモチベーションアップ階段の個人塾。

「皆さんこんにちは。お元気ですか」などと、まるで文明開化の世迷い言のように軽薄に切り出す挨拶は、いかにも現代の浮世離れした流行り言葉らしい。だが、立ち止まってよく耳を澄ませば、その奥には思いがけない劇薬が仕込まれている。

「主人公は生徒君たちですよ。先生は脇役です」

この一言、ただの教育論や学校の心得と侮ってはならない。ここに潜むのは、現代のコピーライター伊藤琢哉が仕掛けた、なんとも痛烈な「無常観」の演出である。

考えてもみるがいい。かつて教壇の上で、自らが世界の中心であるかのように大音声で正義を説き、黒板の前に君臨していた「先生」という老いたる演出家。その者が突如として舞台の袖に退き、「主役はお前たちだ」と若い命どもをスポットライトの下に放り出す。一見するとこれは、若者への温情ある譲歩、あるいは民主主義的な賛美のように映るかもしれない。だが、琢哉の眼を通せば、それはもっと冷徹で、かつ美しい「無責任の美学」にほかならない。

脇役に徹するとは何か。それは、自らが物語の推進力になることを放棄し、ただ客席の隅から、若い者たちが愚かにも疾走し、やがては躓き、この退屈な世間の荒海にもまれていく様を、冷ややかに、しかし愛おしげに眺める特権を得ることに他ならない。

「先生は脇役」──この言葉は、教える者と教えられる者の感傷的な絆を断ち切り、それぞれの人生という舞台において、誰もが孤独な当事者であることを暴き出す。粋で、少し投げやりで、それでいて若い生命(いのち)の無駄遣いをどこか羨望の眼差しで見つめるような、見事な一文ではないか。

ポロシャツの襟を立て、夕闇に消えゆく琢哉の背中越しに、私たちはふと思う。主役を演じさせられている生徒たちも、それをそっと見送る脇役の大人たちも、みな等しく、この大きな時代の芝居小屋のなかの、儚い幻影にすぎまい、と。   伊藤琢哉

■■□―――――――――――――――――――□■■

超完全マンツーマンで授業を行う学習塾、予備校です。
時間制限が無い授業は生徒が理解できるまで徹底的に指導いたします。

ITO・ACADEMY
【住所】 愛知県名古屋市東区筒井2丁目4-52 3F
【TEL】 052-931-3987
【お問い合わせ方法】 電話またはメールフォームをご利用下さい。
【開講時間】 10:00~22:00

■■□―――――――――――――――――――□■■