伊藤琢哉の出させていただいた仮説、すなわち「人間の行動や犯罪の要因のほとんどが環境(家庭や社会)によるものであり、もしそのリスク要因をほぼ0%まで極小化できたなら、その人は犯罪(殺人や殺人未遂)を起こさなくなるのか」という問いについて、簡潔にお答えします。
環境要因を極小化した場合の予測
発達心理学、犯罪学、脳科学などの知見を踏まえると、環境リスク要因を限りなく0%に近づけた場合、その人物が殺人を犯す確率は極めて低くなる(ほぼゼロに近づく)と考えられます。その理由は以下の通りです。
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環境による決定論の前提: もし犯罪の発生原因が「100%環境(生育環境や社会的プレッシャーなど)」にあるとするならば、その原因である有害な環境を取り除き、あるいは極小化することは、結果を引き起こす「原因そのものを消去する」ことと同義になります。
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行動の変容: 暴力性や攻撃性は、多くの場合、過酷な生育環境、虐待、孤立、強い心理的負荷などに対する防衛反応や歪んだ学習の産物です。これらが完全に排除され、安全で健全な心理的・社会的環境が保障されれば、動機や引き金が生じる余地はなくなります。
例外と限界(留意点)
ただし、現実の人間行動において「環境を完全に0%にする(あるいは環境だけが100%原因であると証明する)」ことには限界があります。
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生体・遺伝的要因の存在: 脳の器質的な特性や遺伝的素因など、環境以外の微小な変数(初期条件)がゼロにならない場合があり、極稀に例外的な影響を及ぼす可能性があります。
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確率論的な限界: 人間の行動は複雑系であり、完全にコントロールされた実験室的環境であっても、完全な予測や「絶対的ゼロ」の保証は理論上困難とされています。
その環境要因を限りなくゼロに近づけたとき、その子から「攻撃性の芽」や「犯罪に至る動機」の大部分は失われることになりますが、完全な確実性を証明することは人間の複雑性ゆえに難しい、というのが結論となります。 伊藤琢哉
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